こんにちは。
“やまもりのくま”です♪
ピアノ初心者の人に向けて、
楽譜の読み方を解説しています。
今日は「お団子」のお話。
お団子、おいしいですよね~。
私も大好きです(特にみたらし)。
実は、楽譜にもお団子があります。
そのお団子は、音楽の幅を広げます。
今日は、音のお団子、
「和音」のお話です。
和音(わおん)とは
今まで、片手で1つの音を弾く場合の
楽譜を見てきました。
でも世の中にある楽譜って、
片手の音が1つではないことがよくあります。
例えば、こんな楽譜。
白いお団子が縦に並んでますね。
これらのお団子のことを、
和音(わおん)と呼びます。
和音とは、
『同時に弾く高さの違う2つ以上の音符』のことを指します。
数に制限はありませんが、
ピアノの場合、多くても片手で4つくらいが一般的です。
和音は、基本的には
音符の“たま”の縦の位置を揃えて書きます。
別の言い方をすると、
“たま”の縦の位置が揃っていれば、
(音が縦に並んでいれば)
同時に弾く合図、ということ。
音符の形で示されている長さ分、伸ばします。
和音の基本的な書き方
みたらし、お月見、あん団子…と
お団子に色んな色や形があるように、
和音にも色んな色や形があります。
と言っても、和音は「音符」ですので、
何か特殊なことがあるわけではありません。
四分音符、八分音符、全音符などの、
色や形の違う、
つまり「長さの違う和音」がある、というだけ。
ただ、ここでのポイントは、基本的に
和音は同じ長さの音符で書かれているということ。
例えば、
上の音が全音符なら、下の音も全音符。
上の音が四分音符なら、下の音も四分音符になります。
1本の串に種類の違うお団子が刺さっていることは
まずありませんよね。
それと同じです。
そして、四分音符などの
“ぼう”のある和音は、
“ぼう”を縦に伸ばし、
上の音と下の音をつないで書きます。
まさにお団子が串にささった状態ですね( ̄▽ ̄)
和音のときも、
1つの音(単音と言います)のときと同じように、
“ぼう”が上を向いたり下を向いたりしますが、
“たま”の高さによって書き方が違うだけです。
音の長さのページでお話したのと同様に、
それぞれの音符の“形の特徴”で
長さを見分けてくださいね(^^)
和音は、同じ長さの音符で構成されている、
と思ってください。
ちょっと意外!?和音の読み方
和音がどんな音で構成されているか人に伝える時、
ドレミを使って伝えることが多いと思います。
レッスンで子どもたちに和音の音を伝える時、
「あっ、そっか」と気がついたことがあります。
もう私にとっては染みついていたことで、
全然気にもしなかったこと。
だけどお互いに正しく音を伝えるためには、
この音楽における「暗黙の了解」を
知っておく必要があります。
それは何かと言うと、
実は和音は、下から読むのです。
「え~?本当?」
と思われた方はこちらをどうぞ。
昔のヤマハのCMですが、
先生や子どもたちが歌っている「ド・ミ・ソ」。
この和音を楽譜で書くと、冒頭の楽譜になるのですが…
ほら、下から読んでますよね(^^♪
音の高さがよくわからない場合は、
こちらのページをご覧になってくださいね。
一人で練習していると、
なんてことないような気になりますが、
意外とこの“和音の読み方”は重要です。
楽譜を読むとき、書くとき、
人と合わせて弾きたいとき、
人に何か伝えたいときなど、
他の人と意志疎通をしたいときには
この暗黙の了解を覚えておく必要があります。
そして、最初にそのようにインプットしておかないと、
後から読み方を変えるのは結構大変です。
ぜひこの機会に、
和音は下から読む、と覚えてください。
“たま”が縦に揃っていない場合も
和音は、今見てきたような綺麗に縦に揃って書いてあるものもありますが、
もっとぐちゃっと書いてあるものもあります。
例えば、こんなの。
うん、お月見団子みたいです(笑)
で、これは、隣同士の音を弾くときに使われる書き方です。
和音として何か特別なもの、というわけではなくて、
音が隣り合っているために、
書き方がこういう風にならざるを得なかったというだけです。
例えば「ミソ」のように、間に音(ファ)が挟まっている和音なら縦を揃えて書けばいいのですが、
ソと、ソのすぐ下のファを一緒に行きたいと思った時には、このような書き方をします。
この場合、音符の“たま”の縦の線は揃っていませんが、
一緒に弾きます。
そして、例えば上の和音が二分音符だったとすると、
音符の“ぼう”は二つの音の間に書きます。
“たま”が重なっていたり、
“ぼう”がたまの右にあったり左にあったり、…と
ごちゃごちゃしているように感じますが、
基本に忠実に。
音符の長さは“形の特徴”で見分ける。
このような“たま”が横に並んだ和音も、同じです。
長さの違う和音の書き方
和音は同じ長さの音同士しかつなげません。
だけど、実際に弾いている時には、
「この音だけ伸ばしたい」
とか、
「こっちの音だけ他の音にしたい」
ということがままあります。
そんな時にはどうするのか。
簡単です。
片手の中を、二つに分けてしまえばいいのです。
二つに分けるとはどういうことか?
この理解のためには、あなたの今までの経験がとても役に立ちます。
きっとあなたの記憶にもあるはず。
もしかしたら、あまり好きではなかったかもですが^^;
それは何かと言うと、中学校の音楽でした「合唱」。
小学校の音楽の時間では、
女声と男声が同じ旋律を歌っていました(これを斉唱と言います)が、
中学校になり男声と女声が別々のメロディーを歌うようになります。
これを「合唱」と言います。
そして更に、女声の中でソプラノとアルトに分かれましたよね。
難しい曲では、男声がテノールとバスに分かれることもあったと思います。
このように、パートに分かれると
音を重ねて美しいハーモニー(和音)を作り出すことができると共に、
それぞれのパートとしての横の流れが出来てきます。
また、そうすることで、
1つの「和音」だと同じリズムでしか動けなかったのが、
パートごとに自由なリズムで動けるようになります。
これで、
音が重なりつつも、別々の動きができるようになるわけです。
そして、女声や男声が更に細かくパートに別れたように、
ピアノでも、片手の中で更にパートに分かれて弾くことがあります。
例として、こちらの楽譜を読んでみましょう。
上の楽譜は、高いドの音を全音符で弾きながら、
ミ-ファを四分音符で、次にソを二分音符で弾きます。
実際に弾くときには、このように弾きます。
この楽譜を読むときのポイントは、
“ぼう”の向きです。
パートに分かれたときは、
“ぼう”が上を向いていればソプラノ(左手であればテノール)
下を向いていればアルト(左手であればバス)になります。
全音符は“ぼう”がない音符なので分かりにくいですが、
二分音符より短い音符は“ぼう”がありますので、
それが上を向いているのか下を向いているのかで
その音がソプラノなのかアルトなのかを見分けることができます。
今回の場合、“ぼう”が下に向いている音符があるので、
それらの音がアルト(緑色で示した音)になり、
そうではない音がソプラノ(青色で示した音)ということになります。
基本的に“ぼう”の向きは“たま”の高さで決まりますが、
(真ん中の線より上に“たま”があれば、“ぼう”は下向き)
このようにパートに分かれた場合には、
“たま”の高さよりも、パートの流れを優先して“ぼう”を書きます。
実際の楽譜では、もっと音が複雑なことが多いですから、
1小節の中に既定の音の長さ(拍子記号で示されている)よりも
多く書かれているように感じます。
そのような時には、よくよく楽譜を見て、
このようにパートに分かれているのではないか、という見方を
一つの選択肢としてみてください。
この部分、なんだかよく分からない…と思っていた箇所が、
「あっ、そういうことか!」と読めるようになるかもしれません。
和音のまとめ
今日は和音を見てきました。
1.縦を揃えて書かれている音符を「和音」と言う
2.和音は、同時に弾く
3.隣の音の場合は“たま”が横に書かれているが、これらも同時に弾く
4.片手の中で、パートに分かれて書かれている和音もある
これで和音の読み方はバッチリですね♪
よろしければ、こちらもどうぞ♪